当時、読者の間で常に囁かれていたのが「なぜこの描写が週刊少年ジャンプで許されているのか」という疑問でした。当時の少年ジャンプはバトル漫画全盛期でありながら、ラブコメ作品に対する表現基準は一定の厳格さを保っていました。その中でいちご100%ジャンプ規制の壁を絶妙にかわし続けた背景には、綿密な作画計算が存在します。
河下水希氏が徹底したのは、「直接的な露骨さを避け、ランジェリーのデザインや陰影の美しさで魅せる」というアプローチでした。レースの質感、肌の柔らかさを表現するスクリーントーンの処理、衣服のシワに至るまで徹底して美しく描くことで、下品さを排除した芸術的なエロティシズムを成立させていたのです。
編集部側も、女性作家ならではの清潔感あるフェミニンな表現力と読者アンケートの圧倒的な人気を評価し、ぎりぎりのラインを攻める描写を容認していきました。この絶妙なバランス感覚こそが、いちご100%お色気シーンを単なる消費物ではなく、語り継がれる芸術の域へと押し上げた決定打です。