都内のサンリオ直営店や主要書店の雑誌売り場では、発売日の午前中に特定キャラクターの付録が棚から姿を消す光景が日常化しています。この異様な過熱感の背景には、単なるキャラクター人気にとどまらない3つの構造的要因が存在します。
第1に、「推し活カルチャー」の定着と実用性の劇的な進化です。かつての付録は紙製トランプや組み立て式ノートなどが中心でしたが、現在はPVCポーチ、カードケース、ミラー、ヘアクリップなど、大人が通勤・通学バッグやオフィスのデスクで日常的に使えるアイテムへとシフトしました。トレカやチェキを持ち歩く「推し活女子」のニーズに合致したことで、子ども向けの読者層から20〜40代の購買層へとパイが一気に拡大したのです。
第2に、「220円」という心理的ハードルの低さが生む大人買い現象です。一般的なカプセルトイ(ガチャガチャ)が1回300円〜500円、サンリオショップの通常グッズが800円〜2,000円程度するなか、新聞本誌(ポスターや描き下ろしイラスト満載)が付いて220円という価格は、全種類揃えても1,000円前後に収まります。そのため、店頭に並んだ瞬間に「推しキャラを保存用・普段使い用で2冊、他キャラも1冊ずつ」とまとめ買いするユーザーが続出します。
第3に、フリマアプリでの転売と海外需要の流入です。メルカリやラクマなどのプラットフォームでは、人気キャラクターの付録が定価を上回る500円〜1,200円前後で取引されるケースが後を絶ちません。定価が極めて安いため利幅は小さいものの、薄利多売を狙う転売ヤーの買い占めや、海外ファンの代理購入サービス経由での流出が、国内の実需層への行き渡りを阻害する要因となっています。