調査兵団と駐屯兵団の連携によって繰り広げられた進撃の巨人 オルブド区攻防戦は、人類側が地形と巨人の習性を完璧に利用した戦術的傑作として描かれています。
オルブド区の住民を避難させず壁際に密集させることで巨人の標的を壁の一点に固定し、壁上からの固定砲撃によって肉体を削る作戦が展開されました。しかし、超大型巨人を上回る高熱蒸気によって通常の立体機動による接近は不可能な状況に陥ります。
戦局を決定づけたのは、エレンの「進撃の巨人」による捨て身の奇襲でした。エレンは大量の火薬樽を詰め込んだ麻袋を抱え、壁にすがりついて立ち上がったロッド・レイス巨人の露出した口腔内へと直接投げ込みます。体内での大爆発によって巨大な頭部と首周りは粉々に破砕され、無数の肉片となって空中へ飛散しました。
散乱する肉片の中に本体となる「うなじ」が存在する中、決定的な一撃を放ったのが実の娘であるヒストリア・レイスでした。空中を舞う肉片の中から迷わず急所を見つけ出し、自らの手で刃を振り抜いて父の息の根を止めます。ロッド・レイスが事切れる瞬間、ヒストリアに流れ込んだ記憶の奔流は、彼の哀しくも身勝手な半生の幕引きを告げるものでした。