韓国俳優イ・スンジェのキャリアを語る上で欠かせないのが、重厚なイ・スンジェ時代劇の数々です。なかでも1999年から2000年にかけて放送され、韓国で最高視聴率63.7%という驚異的な記録を打ち立てた『ホジュン宮廷医官への道』は、彼の名声を不動のものとしました。
彼が演じた名医ユ・ウィテは、主人公ホジュンの厳格な師匠であり、医道の本質を説く魂の導き手でした。己の死期を悟ったユ・ウィテが、医学の発展のために自らの遺体を解剖させるクライマックスは、韓国ドラマ史に残る屈指の名場面として語り継がれています。現場関係者の証言によると、イ・スンジェは一切の妥協を許さず、古文書のような台詞回しを完璧に身体へ叩き込んで撮影に臨んでいたといいます。
さらに2007年の大ヒット作『イ・サン』では、名君として名高い朝鮮第21代王・英祖(ヨンジョ)役を熱演しました。厳しい君主としての威厳と、晩年の認知症による狂気、そして孫のサン(正祖)に対する深い情愛が交錯する多面的な心理描写は圧巻の一言でした。単なる歴史上の偉人にとどまらない「老いた人間の脆さと尊厳」を見事に表現し、ドラマの屋台骨を支えました。これら重厚な名作群こそが、イ・スンジェ代表作の根幹を形作っています。