この楽曲を語る上で避けて通れないのが、ザ・ポリス(The Police)が1983年に発表した不朽の名作『見つめていたい(Every Breath You Take)』のサンプリングだ。哀愁漂うあのアルペジオギターを、ショーン・コムズは大胆にもそのまま引用した。しかし、そこには音楽産業(Music Industry)における前代未聞の失態が隠されていた。
なんとコムズ側は、原作者であるスティング(Sting)に正式な事前許諾を取らないまま音源を完成させ、世界中でプレス・リリースしてしまったのだ。結果として激怒したスティング側の法務チームとの交渉により、楽曲の出版著作権(Publishing Royalties)の100%をスティングが永続的に回収するという極めて異例の合意が結ばれることとなった。
のちに「毎日数千ドル規模の印税がスティングの口座に振り込まれ続けている」という逸話が業界を騒然とさせたが、スティング本人はこの曲の完成度自体を高く評価。1997年のMTV Video Music Awardsでは、ショーン・コムズやフェイス・エヴァンスと同じステージに立ち、直接共演を果たすという歴史的な和解劇を披露している。