『青いベンチ』の根底に流れているのは、「あの時、なぜ本当の気持ちを伝えられなかったのか」という痛烈な自己嫌悪と後悔だ。歌詞中に登場するベンチは、単なる公園の遊具ではない。二人の距離感、そして二度と戻れない甘酸っぱい時間そのものを象徴する重要なアイコンとして機能している。
手越祐也の高らかに伸びるハイトーンと、増田貴久の包み込むような温かなミドルボイス。この二人の歌声が重なった時、単なる失恋ソングを超えた「誰もが胸の奥に秘める不器用な記憶」が鮮やかに蘇る。告白できなかった過去の自分に対する歯がゆさ、そして相手の幸せを願いつつも捨てきれない未練。絶妙なハーモニーが織りなすセンチメンタリズムこそが、聴き手の涙腺を崩壊させる最大の要因と言えるだろう。