専門店を立ち上げるにあたり、宗次夫妻が掲げた屋号こそが「カレーハウスCoCo壱番屋」だった。「ここが一番や!」という名古屋弁の威勢のいい響きと、「ここが一番の店になるように」という切実な願いが込められたネーミングである。運営母体となる株式会社壱番屋の快進撃は、ここから本格的に幕を開けた。
当時の外食産業において、カレーは「家庭で食べるもの」か「洋食店やスタンドの脇役」という位置づけが一般的だった。しかしココイチは、ご飯の量、辛さの段階、そして豊富なトッピングを客自身が自由に選べる「マイチョイス方式」を確立。このパーソナライズ化こそが、チェーン展開を爆発的に加速させる起爆剤となった。
喫茶店の小さな厨房で生まれた家庭的な味わいをベースにしながらも、何十通り、何百通りもの組み合わせを可能にした柔軟性。これこそが、単なるローカル店から世界最大手のカレーチェーンへと飛躍を遂げた核心的なイノベーションだった。