夏場になると、大手ニュースポータルサイトのYahoo!ニュースのコメント欄やSNSには、職場での冷房をめぐる切実な悲鳴があふれ返る。「寒すぎてひざ掛けとダウンジャケットが手放せない」「上司が勝手に設定温度を上げて汗が止まらない」といった、いわゆる「エアコン戦争」である。
この問題に対して、企業の健康管理を担う産業医は強い警鐘を鳴らす。男性と女性での骨格や筋肉量の違い、あるいはデスクワークと外回り社員の代謝量の差によって、体感温度には3度以上の開きが生じることがある。冷えすぎた室内と猛暑の屋外を行き来することで自律神経が乱れ、慢性的な頭痛や倦怠感、肩こりを訴える労働者が後を絶たない。職場の温度管理は、単なる好みの問題ではなく、明確な労働衛生上のリスク管理なのだ。