「空飛ぶ幻の酒」として世界中の愛好家が血眼になって探す鹿児島の名焼酎、森伊蔵。かつては機内の至る所で見かけられたこの銘酒も、現在は供給の希少性から厳格なルールのもとで販売されている。特に長距離路線の国際線ファーストクラスやビジネスクラスにおける販売期間は、発表されるや否や座席争奪戦が起きるほどの熱狂を生む。
販売時期は例年、春先や特定のアニバーサリーシーズンに集中する傾向がある。だが、対象便に乗れば誰でも確実に買えるわけではない。1人あたりの購入本数制限はもちろん、機内搭載数そのものが極めてタイトに絞られているからだ。客室乗務員に「離陸後すぐにお声がけいただけますか」とスマートに伝える手練れのマイラーが存在するのも、この極限の争奪戦ゆえの光景といえる。