民間人となった後も、皇室との関係が完全に断ち切られたわけではない。その結節点となってきたのが、天皇家と旧皇族で構成される「菊栄親睦会」だ。毎年、両陛下をはじめとする皇族方と旧宮家の人々が一堂に会し、静かに旧交を温める場として機能してきた。
宮内庁の公式記録に詳細な会話が載ることはない。しかし、皇室行事や節目ごとの私的参集を通じて、血縁としての絆は保たれ続けている。表舞台の政治・行政ジャーナリズムが「皇室の危機」をセンセーショナルに書き立てる一方で、水面下では静寂を重んじる親族ネットワークが途切れることなく息づいているのだ。