恩賜財団の活動の中で、特に社会的なインフラとして重要な位置を占めるのが「無料低額診療事業」だ。経済的な理由により病院への受診をためらってしまう人々に対し、自己負担額の全額または一部を免除して医療を提供する制度である。厚生労働省が定める社会福祉法に基づき運用されている。
医療福祉業界においても、この事業はセーフティネットの要とみなされている。単に医療費を割り引くだけではない。受診をきっかけにソーシャルワーカーが介在し、生活保護申請や就労支援、住まいの確保といった生活再建へ向けた伴走支援へと繋げていく。医療と福祉の境界をシームレスに結ぶ架け橋となっているのだ。