通常、桃華楽堂の内部に入ることは叶わない。一般参観者が間近にできるのはその外観のみだ。しかし近年、宮内庁の広報活動の転換やデジタル化の波により、かつてはヴェールに包まれていた内部の様子が動画プラットフォームを通して徐々に姿を現すようになった。
公式映像やYouTube上に公開されたアーカイブでは、皇室ゆかりの音楽家による室内楽の演奏風景や、堂内の精緻なシャンデリア、天井装飾の高精細なディテールを垣間見ることができる。ガラス越しではない、生々しい空間の奥行き。画面越しであっても伝わるその厳かな反響音は、多くの音楽ファンや建築ファンを惹きつけてやまない。デジタル技術は、閉じられた名建築の扉を世界に向けて開く新たな窓となっている。