Q1:黄斑変性症は治療すれば元の見え方に完全に戻りますか?
A1:残念ながら、完全に病気にかかる前の見え方へと戻す「完治」は困難です。抗VEGF抗体注射などの治療目的は、異常な新生血管の活動を鎮静化させ、出血や浮腫を引かせることで「現状の視力を維持する」「進行を食い止める」ことにあります。ただし、網膜の浮腫が早期に消失した場合、歪みが軽快したり視力が数段階改善したりするケースは十分にあります。発症前の見え方をできる限り残すためには、視細胞の破壊が進む前の一刻も早い治療開始が必須条件です。
Q2:片目だけに発症した場合、もう片方の目も将来発症しますか?
A2:もう片方の健常な眼にも発症するリスクは無視できません。臨床統計によると、片目に加齢黄斑変性(特に滲出型)を発症した患者が、5年以内にもう片方の眼にも発症する確率は約20%〜30%と報告されています。健常な側の黄斑部にもドルーゼン(老廃物)が蓄積していることが多いため、発症していない側の目も定期的に眼底検査を受けるとともに、アムスラーチャートを用いたセルフチェックを習慣づけることが極めて大切です。
Q3:抗VEGF注射は痛いですか?また、一生打ち続けなければならないのですか?
A3:処置前に点眼麻酔薬をしっかりと効かせるため、針が入る瞬間に強い激痛を感じることはほとんどありません。「目の中に重い圧迫感を感じる程度」と表現する患者が多いです。注射の頻度については、最初の3カ月間は月1回の導入療法を行い、その後は病状の安定性を見ながら投与間隔を延ばしていく(Treat and Extend法など)のが一般的です。病勢が落ち着けば数カ月〜半年以上間隔を空けられるケースもありますが、再発の監視と維持のための通院管理は長期にわたって必要となります。
Q4:日常生活でできる予防法や、進行を遅らせる習慣はありますか?
A4:最大の予防策は「完全な禁煙」です。喫煙は加齢黄斑変性の最大のリスク因子であり、喫煙者の発症リスクは非喫煙者の約3倍から4倍に跳ね上がります。次に、緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリーなど)に多く含まれるルテインや抗酸化ビタミン(ビタミンC、E)、亜鉛、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸をバランスよく摂取することです。また、太陽光に含まれる紫外線や強いブルーライトも黄斑部に酸化ストレスを与えるため、屋外ではUVカット機能付きのサングラスや帽子を着用することが強く推奨されます。