1991年3月27日にリリースされた原由子のソロシングル『花咲く旅路』は、サザンオールスターズの活動と並行して届けられた特別な1曲でした。同年に発表された彼女の代表ソロアルバム『MOTHER』の先行シングルとしても位置づけられ、オリコンチャートでも上位にランクインする大ヒットを記録しています。
本作の作詞・作曲を務めた桑田佳祐は、原由子というシンガーの持つ「清涼感」「包容力」「どこか懐かしい郷愁」を完璧な形で音像化しました。サザンオールスターズで見せるロックやソウル、歌謡曲のミクスチャーとは一線を画し、東洋的な音階(いわゆるヨナ抜き音階やペンタトニック・スケール)を巧みに取り入れたメロディラインは、聴く者のDNAに直接訴えかけるような心地よさを生み出しています。
小林武史との共同アレンジによる緻密なサウンドプロダクションも光り、アコースティックな温もりと幻想的なシンセサイザーの響きが美しく調和したアレンジは、今なお色褪せない完成度を誇ります。