多発性骨髄腫は、骨髄の中にある形質細胞ががん化する病気だ。初期症状が腰痛や貧血など、日常生活でよくある不調に似ているため、発見が遅れるケースが少なくない。高齢化が進む日本において、この病気の罹患者数は増加傾向にある。かつては不治の病と恐れられたが、新薬の登場により生存率は飛躍的に向上した。
問題は、その治療費の高さだ。最新の分子標的薬や免疫療法は極めて高額であり、高額療養費制度があるとはいえ、長期にわたる治療は患者の家計を確実に圧迫する。「命の値段」を突きつけられる現場が、今の日本には厳然と存在する。山本氏が会見で最も強調したのも、まさにこの「経済的格差による治療の選択肢の制限」だった。