潮風が吹き抜けるウォーターフロントに佇むこの店は、古びた倉庫の風情を残しながらも、研ぎ澄まされたモダンインテリアが見事に調和する。肩肘を張らずに酒と肴を楽しめるダイニングバーの気軽さを持ち合わせつつ、供される料理のクオリティは名門割烹をも凌駕する骨太さを誇る。
主役となるのは、全国各地の漁港から毎朝直送される鮮魚を用いた創作海鮮料理だ。脂の乗った寒鰆を瞬間燻製にし、熟成バルサミコと自家製柑橘ジュレでまとめた一皿は、魚本来の力強い旨味と繊細な酸味が舌の上で鮮やかにほどける。単なる素材の提示にとどまらず、温度や香りのグラデーションを緻密に計算し尽くしたアプローチが、訪れる者の五感を容赦なく刺激する。