だが、「血糖値が上がりにくい=無害」という図式は成立するのだろうか。2026年最新の研究データや代謝医学の知見は、実に皮肉な現実を突きつけている。
アガベシロップのGI値が低い真の理由は、その成分の70%〜90%近くが果糖(フルクトース)で占められているからにほかならない。ブドウ糖(グルコース)と異なり、果糖はすい臓からのインスリン分泌をほとんど刺激しないため、測定上のGI値は抑えられる。しかし、体内で処理されるルートが根本的に異なるのだ。
小腸から吸収された果糖は、全身の細胞で利用される前に、その大半が肝臓へと直行する。肝臓で過剰に処理された果糖は、速やかに中性脂肪(トリグリセリド)へと変換され、内臓脂肪の蓄積や非アルコール性脂肪肝(MASLD)を引き起こす主要因となる。さらに、近年の追跡調査では、過剰な果糖摂取が尿酸値を上昇させ、細胞の老化(AGEs形成)を加速させることが判明している。「血糖値を上げない」という謳い文句の陰で、肝臓への静かな負荷が進行しているのだ。