タイトルにある「ファイナル ドラフト」は、ハリウッド映画業界でデファクトスタンダードとして君臨する脚本執筆ソフトの開発元「Final Draft Inc.」のツールとも奇妙なシンクロを見せている。作中、主人公である劇中の脚本家がまさにそのソフトウェアを使ってシナリオを書き進めていくのだ。
モニター上で文字が打ち込まれるたび、現実の事件がそれに追従して書き換えられていくメタ構造。観客は「いま目撃している映像は現実なのか、誰かがキーボードで打ち込んでいる最中のシナリオなのか」という迷宮に迷い込む。業界標準のプロツールを物語の鍵として落とし込んだアイデアは、クリエイター層の間でも大きな話題を呼んでいる。