1984年の刷新以来、実に見事40年間にわたって日本の「顔」を務め続けたのが福沢諭吉でした。昭和後半から平成、そして令和の初頭にかけて、私たちは「諭吉」という名前自体を一万円札の代名詞として使ってきました。「諭吉が飛んでいく」という表現は、まさにその象徴です。
それだけに、渋沢栄一への交代は社会に小さくないインパクトを与えました。当初は「まだ諭吉のほうがしっくりくる」「新札はおもちゃみたいに見える」といった戸惑いの声が多く聞かれたものです。2年が経った現在でこそ新デザインは日常に溶け込みましたが、旧札を見かけたときのどこかホッとする感覚は、40年という歳月の重みを物語っています。