なぜ、新たな一万円札の顔として渋沢栄一が選ばれたのでしょうか。政府が紙幣の肖像画を選ぶ基準は、主に「世界に誇れる業績を残した人物であること」「精密な写真や絵画が残っており、偽造防止の観点から特徴を捉えやすいこと」などが挙げられます。
渋沢は生涯において約500もの企業の設立に関わり、同時に約600の社会公共事業や福祉活動にも尽力しました。彼が唱えた「道徳経済合一説」、つまり倫理と利益の両立という思想は、現代のSDGsやESG投資の先駆けとも言えます。混迷を極める現代の日本経済において、彼の「公益を重んじる精神」をいま一度見直そうという、国からの強いメッセージがこの人選には込められていたのです。