今回の話で最も注目すべきは、やはり李牧が仕掛けた緻密な罠の全貌が明らかになる瞬間です。これまで絶対的な優位を保っているかに見えた秦軍ですが、趙軍の巧妙な包囲網によって一気に窮地に立たされることになります。冷徹なまでの戦略眼を持つ王翦が、この絶望的な状況を前にしてどのような表情を浮かべるのか、読者の緊張感はピークに達しています。
戦場を俯瞰する視点から描かれる緻密な軍勢の動きは、原泰久先生の圧倒的な画力によって息をのむほどの迫力で表現されています。一歩間違えれば全滅という極限状態の中で、秦の将軍たちが下す決断の重さが、画面越しにずっしりと伝わってきます。