政治や国際情勢といった大文字の政治談議だけでなく、古谷は「地方の衰退」や「現代の若者論」といった身近な社会問題に対しても深い洞察を示してきた。実際に全国の地方都市を歩き回り、シャッター街やロードサイド店舗の現状を観察して書かれたルポルタージュは、学術的な研究書とは異なるリアルな説得力を持つ。
東京一極集中を批判しつつも、地方の安易な活性化策をバッサリと切り捨てるその姿勢は、地方自治体の関係者や地域活性化に取り組む人々からも注目されている。絵に描いた餅ではない、冷酷な現実を突きつける彼の言葉は、当事者たちに重く響く。
若者文化についても、単なる「最近の若者は~」といった説教調ではなく、経済的な困窮や情報環境の変化を踏まえた同情的な視線が垣間見える。こうしたニッチでありながら本質的なテーマにおける彼の仕事は、政治的なノイズを離れた場所で、極めて高い評価を得ている。