世界的な大ヒットを記録したTinder、日本国内で圧倒的なシェアを誇るPairs、そして女性主導の設計を打ち出すBumble。これらの人気サービスは、一見すると異なるコンセプトを掲げているが、ユーザーインターフェース(UI)の根底には共通の「ハマる仕掛け」が組み込まれている。洗練されたカード型のデザイン、一瞬の指の動きで相手を選別できる直感的な操作性は、思考の挟まる隙を与えない。
ドキュメンタリー映画『ソーシャル・ディレマ』が警鐘を鳴らしたように、SNSやアプリのUIは人間の心理的弱点を突くよう緻密にデザインされている。指を滑らせるスピードが速まれば速まるほど、相手を一人の人格としてではなく、デジタル上の「消費コンテンツ」として扱う感覚が麻痺していく。便利さと引き換えに、私たちは人間関係を味わう深い感性を失いつつあるのかもしれない。