彼女のキャリアを語る上で欠かせないのが、社会現象を巻き起こした数々のテレビドラマだ。堤幸彦監督が手掛けた『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』で演じた当麻紗綾役は、ボサボサ頭に三角巾、左手を吊った異様なビジュアルと圧倒的な知性、そして狂気を孕んだ怪演で日本中を熱狂させた。
また、大ヒットシリーズ『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命』では、不器用ながら患者に寄り添うフライトドクター・緋山美帆子を熱演。若手医師たちの葛藤と成長を泥臭く演じ切り、世代を代表するアイコンとしての地位を固めた。
そして彼女の演技人生におけるひとつの到達点となったのが、NHKの連続テレビ小説『スカーレット』である。信楽焼の女性陶芸家・川原喜美子の半生を10代から50代まで演じ切り、土に向き合う生々しい息遣いと母としての情愛を圧倒的なリアリティで表現した。一人の女性の生涯を演じ切ったこの経験が、その後の彼女の演技に揺るぎない土台を与えたことは疑いようがない。