この神社が地域で長く愛され続ける最大の理由は、祀られている神々の深いご利益にある。主祭神である多治速比売命は、厄除けや安産、良縁成就を守護する女神として古くから崇敬を集めてきた。生命の誕生や家庭の平穏を願う参拝客が全国から訪れ、静かに手を合わせる姿が絶えない。
さらに中世、この地には学問の神として名高い菅原道真公が合祀された。これにより、安産祈願だけでなく受験合格や学術成就を願う人々の足も途絶えることがなくなった。時代の変遷とともに多様な願いを受け止めてきた境内には、安産守りや絵馬が整然と並び、切実な祈りが温かな空気となって空間を包み込んでいる。