後頭部から頭頂部、あるいは耳の後ろにかけて後頭部がピキピキ一瞬走るように痛む現象は、神経が物理的・血行的に刺激を受けた瞬間に発する悲鳴である。日本頭痛学会が準拠する『国際頭痛分類第3版(ICHD-3)』においても、後頭神経痛(Occipital Neuralgia)は明確に定義された頭痛疾患として分類されている。
痛みの発生源となるのは、主に以下の3本の神経だ。それぞれの走行ルートによって、症状の現れる部位が異なる。
- 大後頭神経(だいこうとうしんけい):首の後ろ(第2頸神経後枝)から後頭骨を越え、頭頂部に向かって伸びる太い神経。後頭神経痛の約7割以上がこの神経の圧迫によるもので、大後頭神経痛の症状チェックで最も多く該当する。
- 小後頭神経(しょうこうとうしんけい):耳の後ろから側頭部・後頭部外側に向かって走る神経。耳の後背部がズキズキ痛む場合に疑われる。
- 大耳介神経(だいじかいしんけい):耳たぶから下顎角(エラ)周辺に分布する神経。耳の周囲や顎の付け根に放散痛が出る。
自らの症状がこの神経痛に当てはまるかどうか、以下のチェックリストで現在の状態を照らし合わせてほしい。
これらの項目のうち3つ以上が合致する場合、後頭神経痛の発症が強く疑われる。とりわけ「髪に触れただけでピリピリと痛む」「首の付け根のある一点を押すと痛みが再現される」という感覚は、脳内部の病変では生じにくい神経痛固有のサインである。