工藤会の壊滅を最優先課題に掲げ、警察組織が総力を挙げたのが福岡県警・頂上作戦であった。2014年9月、捜査員が野村被告の邸宅に踏み込んだあの日から、北九州の治安構造は劇的な変容を遂げた。警察庁の強力なバックアップの下、全国から応援部隊が投入され、資金源の遮断と主要幹部の相次ぐ検挙が進められた。
反社会勢力対策・暴力団排除の潮流は、地域社会のあり方をも根底から塗り替えた。かつて北九州市内の繁華街を支配していた「みかじめ料」の要求や店舗への嫌がらせは、警察と地域住民、地元企業による徹底した排除運動によってほぼ一掃された。かつて「最強最悪の暴力団」と恐れられた組織は構成員数を大幅に減らし、壊滅的な弱体化を余儀なくされたのである。