日本国内のホテル予約において、依然として圧倒的なシェアを二分しているのが楽天トラベルとじゃらんnetである。両者は一見似通ったサービスに見えるが、ターゲット層と還元構造には明確な思想の違いが浮き彫りになる。
楽天トラベルの最大の武器は、言わずと知れた楽天ポイント経済圏との強力な連動だ。普段から楽天カードや楽天市場を利用しているユーザーであれば、SPU(スーパーポイントアッププログラム)や「毎月5と0のつく日」の特別クーポンを活用することで、表示価格から実質15%〜20%相当が還元される計算が成り立つ。全国チェーンのビジネスホテルやシティホテルとのパイプが太く、出張族の囲い込みに極めて強い。
対するじゃらんnetは、平常時の基本還元率2%(Pontaポイント1%+じゃらん限定ポイント1%)という基礎体力の高さを誇る。さらにドコモのdポイントとの連携も完了しており、特定経済圏に深く依存していないユーザーにとっても恩恵を受けやすい設計だ。取材で明らかになった現場の特性として、じゃらんは地方の老舗温泉旅館や個人経営のペンションにおける在庫掲載数が抜きん出ており、「露天風呂付き客室」「夕食お部屋食プラン」といった情緒的・体験型のこだわり条件検索において圧倒的な強さを発揮する。
使い分けの境界線は明快だ。ビジネスホテル利用や日頃の楽天サービス依存度が高い場合は楽天トラベル、温泉旅行やファミリー旅行、Ponta/dポイントをメインに蓄積している場合はじゃらんnetを第一候補に据えるのが最も費用対効果が高いアプローチとなる。