40代半ばを迎えてなお、トップカテゴリーの最前線で戦い続ける姿は、スポーツ界全体の常識を覆している。チーム関係者が明かすシミュレータデータによれば、ブレーキング時の踏力コントロール、超高速コーナーにおけるステアリングの微修正スピード、そしてタイヤのデグラデーション(劣化)を抑制するマネジメント能力において、20代の若手ドライバーを凌駕する数値を叩き出し続けている。
レース中の無線交信を聞けば明白だ。時速300キロを超える極限状態にありながら、アロンソはライバルのピット戦略を計算し、サーキット上空の雨雲の動きまで把握している。脳の処理能力に尋常ならざる余白を残しながらマシンをねじ伏せるそのドライビングは、まさに円熟の極地。目指すは、ファン・マヌエル・ファンジオらに並ぶ歴史的偉業、40代での3度目のドライバーズワールドチャンピオン獲得だ。