1991年、フジテレビジョンが月曜夜9時に放映した社会現象ドラマ『東京ラブストーリー』。そこで有森也実が演じた関口さとみは、ヒロイン・赤名リカの対極に位置する伝統的な女性像だった。男心を揺さぶる仕草や優柔不断さが視聴者の過剰な感情移入を呼び、放送当時は街中で心ない言葉を浴びせられるほどのバッシングに直面したという。
国民的ヒット作の代償として背負わされた「嫌われ役」のレッテル。それは同時に、強固な清純派イメージの牢獄でもあった。役者として更なる高みを目指す彼女にとって、定着しすぎたキャラクターをいかに破壊し、新たな自己を再構築するかは切実な命題だった。