こうしたリスナー側の熱量に対し、アーティストやレコード会社も動き出している。かつては廃盤となり入手困難だったアルバム未収録曲のデジタル配信解禁や、アニバーサリーイヤーに合わせた未発表デモ音源のリリースが相次ぐ。
ライブのセットリストにも変化が現れている。スタジアム級のツアーでありながら、定番のヒット曲をあえて外し、ファンの間で「隠れた名曲」と称される楽曲を中心に構成するライブツアーが完売を記録する現象も起きている。演者と聴き手が共有する「知る人ぞ知る名曲」という秘密のネットワークが、音楽ビジネスの新たな求心力となっている。