こうした生きづらさの自覚の高まりに同調するように、社会的な受け皿も変容を遂げている。厚生労働省が公表する精神保健福祉関連のデータを見ても、心身の不調を訴えて医療機関や相談窓口を訪れる若年層・壮年層の割合は増加傾向にある。これに伴い、民間主導のメンタルヘルス産業やカウンセリング業界は急拡大を見せている。
オンライン心理カウンセリングの普及や身体心理学アプローチの導入など、支援の選択肢は多様化した。かつてのように「家族の問題は家庭内で解決すべき」という閉鎖的な風潮は弱まり、第三者の専門的介入を頼ることが一般的になりつつある。自身のトラウマに向き合い、専門的なセラピーを受けるアプローチは、今や特別なことではない。