物間寧人の精神的バックボーンを語る上で欠かせないのが、普通科から編入を目指していた心操人使(しんそう ひとし)との関係性です。心操の個性「洗脳」と物間の「コピー」は、いずれも単体では完結せず、他者がいて初めて成立する能力です。
それゆえに両者は、幼少期から「一人じゃ何もできない」「悪者向きの個性」と周囲から冷笑されてきた共通のトラウマを抱えていました。A・B組合同戦闘訓練において、物間が心操に投げかけた言葉は、作品史上に残る名言として語り継がれています。
「僕らは皆 誰かの物語の主人公で 誰かの物語の脇役だ」
「主役になれない人間なんていないんだ。脇役が主役を喰う物語があってもいいじゃないか」
自らの立ち位置を「脇役」と冷徹に割り切りつつも、それを言い訳にせず、主役(仲間たち)を勝たせるために泥を啜る覚悟。この歪で気高いプロフェッショナリズムこそが、読者の心を激しく揺さぶった「かっこいい理由」の本質です。