黒霧の初登場は、雄英高校の訓練施設「USJ(ウソの災害や事故ルーム)」襲撃事件でした。死柄木弔の補佐役として冷静沈着に行動し、プロヒーローたちを分断した漆黒の怪人。その素顔は長らく謎に包まれていましたが、原作第253話から255話にかけて明かされたヒロアカ 黒霧 正体の真実は、作中屈指の残酷な因縁を孕んでいました。
特殊拘置所タルタロスに収監された黒霧の細胞を調査した警察と塚内直正警部は、彼の生体ベースが約15年前に死亡処理されていた元雄英生・白雲朧の遺体であるという戦慄の鑑定結果を導き出します。かつて青空のように澄んだ心を持ち、落ちこぼれ気味だった相澤消太を鼓舞し続けた少年が、最もおぞましい敵の手先へと作り替えられていた事実は、ヒーロー社会の暗部を浮き彫りにしました。
黒霧の基本行動原理は「死柄木弔の保護と補佐」に固定化されており、白雲朧としての記憶や人格は強固な心理障壁と脳改造によって完全に封じ込められていました。しかし、その深層心理には生前の優しさや友情の残滓が確かに眠っており、この歪な二重構造が後の大戦における決定的な鍵となります。