山本五十六「やってみせ」知られざる続きの全文と人を動かす極意に関する主要なデータを分かりやすく解説いたします。

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多くのビジネス書や研修で引用されるのは最初の1節ですが、山本五十六の人材育成論は全3節から構成されています。この全体像を把握して初めて、言葉の真価が浮かび上がります。

【山本五十六の名言・全文】
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

この全文は、人間が成長していく過程を極めて緻密に捉えています。

第1節(人は動かじ)は、業務の初期習熟と行動喚起を指します。上司が自ら手本を示し、理由を丁寧に言葉で説明し、実際に手を動か行かせた上で承認する。新人教育やOJTの基本原則です。

第2節(人は育たず)は、主体性の確立と自立支援です。一方的な指示を捨て、対話を通じて相手の意見に耳を傾け、存在と成果を認め、一定の裁量権を与える段階へ移行します。

第3節(人は実らず)は、心理的安全性の担保と長期的なパートナーシップです。細かく口出しするのを我慢し、相手の奮闘に感謝を抱きながら静かに信じて任せきる。この境地に達して初めて、組織の中で人は大きな成果を実らせます。

1884年に新潟県長岡市で生まれ、ハーバード大学への留学や駐米武官としての経験を経て連合艦隊司令長官へと就任した山本五十六。欧米の合理主義と日本の伝統的な武士道を肌で知る彼だからこそ、精神論一辺倒ではない「人間の心理に根ざしたマネジメント論」を遺すことができたといえます。