清水の覚醒剤事件は、単なる個人のモラル崩壊ではなく、芸能界における「二世タレント問題」と「家族の共依存関係」という構造的病理を鮮明に映し出しています。
臨床心理学および家族社会学の観点から分析すると、偉大な親を持つプレッシャーと、親の威光によってトラブルが容易に揉み消されてきた成育環境は、健全な「心理的バウンダリー(自他境界)」の形成を阻害します。問題を起こしても親の事務所が守ってくれるという甘えが、危険ドラッグや違法賭博、さらには覚醒剤への心理的ハードルを著しく下げてしまったことは否めません。
依存症治療の専門機関が指摘するように、薬物依存症は「本人の意志の弱さ」ではなく「脳の報酬系が破壊される病気」です。回復のために最も必要なのは、親が金銭的・社会的に過剰介入することをやめ、本人が自らの行為の責任を全面的に引き受ける「底つき体験(底打ち)」と、医療機関による専門的リハビリテーションプログラム(NA:ナルコティクス・アノニマスなど)の継続です。親子の共依存を断ち切り、一人の市民として社会に根を張ることが、唯一の再犯防止策となります。