母親が亡くなった後、横山さんは「俺がこいつらの親にならなあかん」と心に決め、弟2人の学費や生活費を全額負担しました。弟たちには「お金の心配は一切せんでええから、自分のやりたいことを見つけてしっかり勉強しろ」と伝え、次男は専門学校へ、三男も専門学校で資格を取得して自立の道を歩み始めました。
弟たちの現在の職業について、一般人であるため詳細な勤務先は非公表ですが、次男は税理士関連の専門職、三男も専門技術職に就いて堅実な社会人生活を送っていることが伝えられています。
兄弟の絆を象徴する最も感動的な出来事が、記憶喪失を乗り越えた次男の結婚式でのエピソードです。
弟の披露宴に出席した横山さんは、親代わりの保護者代表として列席しました。そしてサプライズとして、多忙なスケジュールの合間を縫って密かに猛特訓を重ねていたトランペットの生演奏を披露したのです。恩師や仲間が見守る中、弟の幸せを願って全力で音を響かせる横山さんの姿に、新郎である弟はもちろん、会場全体が涙に包まれました。
披露宴の最後、弟から横山さんへ向けて読まれた手紙には、「お兄ちゃんがいてくれたから、今の僕があります。父親であり、母親であり、最高の兄でした」という感謝の言葉が綴られていました。壮絶な逆境を乗り越え、家族としての責務を果たし終えた横山さんの目からも大粒の涙がこぼれ落ちました。