街中を走行していると必ず目に入るのが、五角形や正方形の青い板に歩行者が描かれた標識と、路面にペイントされたひし形のマークです。これらは単なる親切な道路案内ではなく、道路交通法第38条(横断歩道等における歩行者等の優先)に直結する厳格な法的意味を持っています。
道路に描かれている「ひし形マーク」の正式名称は「横断歩道又は自転車横断帯あり」の道路標示(ダイヤマーク)です。原則として、前方に横断歩道や自転車横断帯があることを知らせるため、手前約50mに1個目、手前約30mに2個目が設置されています。つまり、最初のひし形が見えた時点で、ドライバーは「直後に歩行者が渡ろうとしている横断歩道が存在する」と認識し、いつでも停止できる速度まで減速する義務を負っているのです。
一方で、頭上に設置される標識にも明確な役割分担が存在します。青地に白いピクトグラムが描かれたものは「指示標識」であり、横断歩道の正確な位置を示します。一方、黄色い地に黒いシルエットが描かれた菱形の「警戒標識(学校、幼稚園、保育所等あり)」は、子どもなどの急な飛び出しや横断歩道の存在を事前に警戒させるために設置されます。この2つの見分け方を頭に入れておくだけで、運転中の視野と危険予測の精度は格段に跳ね上がります。