多くのビジネスパーソンが新社会人時代に一度は突き当たる疑問が、「なぜオフィス内で『こんにちは』を使ってはいけないのか」という問題です。実際に大手転職エージェントのビジネスマナー調査でも、社内で交わされる挨拶の約87%以上が「お疲れ様です」で占められているというデータがあります。
「こんにちは」は元来、外部の人(ソトの人間)や近所の人に向けた挨拶として発展してきました。そのため、同じ組織に属する仲間(ウチの人間)に対して使うと、心理的な距離感(よそよそしさ)を与えてしまいます。そこで、共に業務に励む労いを兼ねた「お疲れ様です」が、実質的な「hello」の代用フレーズとして定着したわけです。
また、電話の第一声として世界的に知られる「もしもし」の由来にも深い盲点が存在します。「もしもし」は「申し上げる」を重ねた「申し、申し(これから申し上げます)」の略語です。明治時代に電話交換手が呼びかけに使ったことから一般化しましたが、元が略語であるため、現代のビジネスマナーでは目上や顧客に対して使用することは重大な失礼と見なされます。「もしもし=Hello」と直訳して業務電話で発信してしまうトラブルは、今なお後を絶ちません。