これほどの美貌と知性を兼ね備えていた黒柳徹子ですから、若い頃のモテエピソードには事欠きません。本人がテレビ番組やエッセイで明かしたところによると、20代から30代にかけては数え切れないほどのプロポーズを受け、お見合いの席も幾度となく設けられたといいます。
歴代の熱愛の噂には著名な作家やテレビプロデューサー、実業家などが名を連ねましたが、彼女が生涯で最も深く愛した人物として公に語られているのが、ブルガリア出身の世界的ピアニスト、アレクシス・ワイセンベルク(Alexis Weissenberg)氏です。
彼との出会いは1970年代。来日公演の際にインタビューを通じて意気投合し、国境を越えた交際へと発展しました。互いに多忙なキャリアを極めていたため、同居や結婚という形は取らず、年に数回、パリやニューヨーク、日本などで会う「遠距離恋愛」を約40年間にわたって継続。2012年に彼が逝去するまで、その深い精神的な絆は揺らぎませんでした。
手記や特番インタビューにおいて、彼女は「お互いの仕事と才能を誰よりも尊敬し合っていたからこそ、束縛しない関係が心地よかった」という趣旨の告白を残しています。形式にとらわれない真実の愛を貫いた姿勢は、現代のパートナーシップのあり方にも通じる先進的なものでした。