物語の中心を担うのは、プライム帯連続ドラマ単独主演となった飯豊まりえだ。彼女が演じる黒目すいは、高校時代のバイク事故をきっかけに10年間自室に閉じこもっていた元女子高生。どこか浮世離れした透明感と、内面に抱える深い孤独を見事に演じ分けた。一歩間違えれば悲劇に傾く難しい役どころを、繊細な表情の変化で表現している。
そのすいを社会復帰させるべく近づくベストセラーラノベ作家・公文竜炎を演じるのが溝端淳平だ。偏屈で冷徹、しかしどこか人間味を滲ませる奇妙な男を熱演。飯豊との丁々発止のセリフ劇は、作品に独特のリズムとユーモアをもたらす。さらに、高校時代のサッカー部エースで、すいの運命を狂わせるきっかけとなった結城悠馬役の井上祐貴も見逃せない。爽やかな好青年の裏に潜む葛藤や罪悪感を立体的に表現し、物語のサスペンス度を大いに高めている。