元湯陣屋は、日本の文化史・サブカルチャー史においても極めて重要な足跡を残しています。愛好家の間で特に有名なのが、鶴巻温泉 陣屋 将棋 タイトル戦 陣屋事件として知られる昭和27年(1952年)の騒動です。
第1期王将戦の第6局において、挑戦者の升田幸三八段(当時)が対局場であった陣屋に到着した際、宿側の対応に手違いがあったことなどから対局を拒否し、不戦敗となった歴史的トラブルです。この事件は当時、将棋界を揺るがす大問題となりましたが、陣屋はその後も名勝負の舞台として棋士たちに愛され続け、現在に至るまで名人戦や棋聖戦など数多くの公式タイトル戦が格式高い対局室で開催されています。
また、日本アニメーションの巨匠との深い絆も見逃せません。スタジオジブリの宮崎駿監督の親族がかつて陣屋の経営に関わっていた縁から、監督自身も幼少期にこの地で過ごした思い出を持っています。約1万坪の広大な敷地にそびえ立つ樹齢数百年を数える大楠は、ファンの間で元湯陣屋 宮崎駿 トトロの木と呼ばれて親しまれており、豊かな自然林が広がる庭園全体が名作のインスピレーション源の一つになったと伝えられています。