和歌山に空港はない?白浜と関空の使い分け&幻の空港計画を徹底解明について見逃せない ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。

現在でこそ関空を利用するのが当たり前となっていますが、かつて和歌山県北部にも独自の空港を建設しようという大規模なプロジェクトが存在しました。それが和歌山市加太地区で構想された「和歌山空港」計画です。

1980年代から1990年代にかけてのバブル景気期、和歌山県は加太地区の丘陵地を切り拓き、産業や住宅、リゾートを融合させた複合都市「コスモパーク加太」の開発を進めました。その中核インフラとして、3,000メートル級の滑走路を備えた和歌山空港の建設が本格的に議論されたのです。

しかし、この空港計画は最終的に建設中止へと追い込まれました。最大の理由は、すぐ北側の大阪湾沖に関西国際空港(1994年開港)の建設が決定・進行したことです。関空と加太地区は直線距離にしてわずか約20キロメートル足らず。過密な関西上空の航空路管制の問題に加え、巨額の建設費に見合う航空需要の重複を避けるため、国の航空政策の中で和歌山空港構想は事実上立ち消えとなりました。造成された広大な土地はその後、メガソーラー発電施設や産業用地などに転用され、現在に至っています。