小動物のような愛らしさとは対極に位置し、息を呑むような野性美で人々を惹きつけるのが大型の狼系犬種です。
ウルフドッグ(狼犬)は、家犬(主にジャーマン・シェパードやハスキー、マラミュート)とオオカミを交配した品種の総称です。FCI(国際畜犬連盟)公認の「チェコスロバキアン・ウルフドッグ」や「サーロス・ウルフドッグ」のように確立された純血種もあれば、北米でウルフハイブリッドとして狼の血統パーセンテージ(ハイコンテンツ、ミッドコンテンツ等)を重視して繁殖される系統もあります。身体能力の高さ、鋭い五感、警戒心の強さは一般的な愛玩犬とは次元が異なります。
オオカミの血を直接交配することなく、犬の遺伝子プールのみで狼の容姿を再現しようと試みられたのがノーザンイヌイットドッグとタマスカンドッグです。ノーザン・イヌイット・ドッグは1980年代のイギリスで、世界的人気ファンタジー巨編『ゲーム・オブ・スローンズ』の劇中に登場するダイアウルフのモデルとして起用され、世界中にその名を知らしめました。
タマスカン・ドッグはフィンランドにおいて、ハスキー、マラミュート、ジャーマン・シェパード、そしてチェコスロバキアン・ウルフドッグ等を緻密に配合し、厳しい遺伝子疾患スクリーニングのもとで管理繁殖されている犬種です。オオカミそのものの風貌を漂わせながら、高い知性と人間に対する深い忠誠心を兼ね備えており、使役作業にも耐えうる精神安定性を誇ります。