偉大な父を持つ二世タレントとして常に注目を浴びてきたのが仁科克基である。父・松方弘樹と母・仁科亜季子の間に生まれた彼は、幼少期から将来を嘱望され、芸能の道へと進んだ。だが、両親の離婚騒動を境に、父子の間には長きにわたり埋まらない溝が生まれることとなる。
離婚後の激しい対立やメディアを通じた舌戦は、当時のお茶の間を大きく騒がせた。仁科克基自身も父への反発と敬愛の狭間で激しく揺れ動いていた時期がある。だが、父が病に倒れ、最期の時を迎える過程で、長年の蟠りは静かに解けていった。現在、彼は独自の芸能活動を展開しながら、一人の表現者として父の偉大さを真っ向から受け止めている。「親父の背中はあまりにも大きかった」と語るその横顔には、かつての確執を乗り越えた大人の男としての落ち着きが漂う。
一方、異母兄にあたる目黒大樹の歩みもまた興味深い。俳優として着実にキャリアを重ね、派手なスキャンダルとは一線を画しながら、映画や舞台で重厚な演技を披露してきた。父の威光に頼ることなく、自らの足で役者人生を切り拓いてきたそのストイックな姿勢は、映画関係者からも高く評価されている。それぞれの息子たちが、それぞれの距離感で父の記憶と向き合い、自らの人生を全うしているのが現在の姿だ。