作品を彩る感情表現のなかでも、圧倒的な使用頻度を誇るのが「チャジュンナ」だ。正しく解釈するための第一歩は、その構造を知ることにある。ハングルでの正しい表記は「짜증나」。語根となる「짜증(チャジュン=嫌気、イライラ)」に、動詞化・形容詞化する「나다(ナダ=出る・が生じる)」が結合した「짜증이 나だ」のアボイド(省略)表現として知られている。
発音における最大のコツは、最初の「짜(チャ)」を濃音として発音する点だ。息を吐き出さず、喉を詰めるようにして力強く「チャッ」と発声する。続いて「증(ジュン)」では口を横に広げながら鼻に音を抜くパッチムの響きを意識し、最後の「나(ナ)」へとスムーズに繋げる。カタカナで「チャジュンナ」と読むだけでは伝わりにくい現地ならではの臨場感は、この濃音とパッチムの連動によって生まれる。