平均寿命の伸長という華々しい成果の裏で、医療現場や社会政策において深刻視されているのが健康寿命との乖離です。健康寿命とは、介護や寝たきりを必要とせず、日常生活に制限のない状態で自立して生きられる期間を指します。
世界保健機関(WHO)および韓国保健社会研究院の最新推計によると、韓国の健康寿命はおよそ73.1歳前後で推移しています。つまり、平均寿命(83.6歳)との間には約10.5年におよぶ「不健康な期間」が存在している計算になります。
このギャップ期間中は、慢性疾患の通院治療や施設での介護が必要となるケースが多く、個人の生活の質(QOL)低下はもちろん、社会保障費用の増大という重い負担をもたらします。さらに、韓国では高齢者の相対的貧困率が約40%近くとOECD諸国で群を抜いて高い水準にあり、公的年金制度の未成熟さも相まって、「長生きは達成したが、老後の経済的・身体的自立をどう維持するか」という切実な問題に直面しています。