ネット上の言説において、最も誤解されているのが韓国人整形前の顔の特徴に関する画一的なイメージです。「モンゴロイド特有の重い一重まぶた、目頭の蒙古襞(もうこひだ)、張り出したエラ骨、平坦な鼻」といった骨格的特徴がステレオタイプとして語られがちですが、これらをすべて単一民族の先天的な欠陥のように捉えるのは事実誤認です。
人類学的に見ても、朝鮮半島にルーツを持つ人々の骨格には北方系・南方系のグラデーションがあり、天然でくっきりとした二重幅を持つ人や、生まれつき鼻筋の通った人も数多く存在します。それにもかかわらず、なぜ「整形前=全員が同一の平坦顔」という認識が広まってしまったのでしょうか。
最大の要因は、2010年代半ばに日本のSNSでも爆発的に流行した、美容整形番組『Let 美人(レット美人)』などの過激な演出です。この番組では、噛み合わせの崩壊や重度の顔面非対称に悩む出演者を、美容外科医が総がかりで治療し、見違えるような美女へと変貌させました。視聴者にカタルシスを与えるために「整形前の苦境と素顔」が極端に誇張されて描かれた結果、それが「一般的な韓国人の素顔」であるかのような認知の歪みを生み出したのです。
さらに、一時期の江南(カンナム)エリアを中心に量産された「高すぎるシリコン鼻・不自然に広い平行二重・過剰な脂肪移植による額」という、いわゆる「江南オンニ(カンナム姉さん)」スタイルがネットミーム化したことも拍車をかけました。メディアが記号化された極端なイメージを消費し続けた結果、実像とはかけ離れた偏見が定着してしまったと言わざるを得ません。