ゼラニウムが虫を遠ざける最大の理由は、葉の油腺に蓄えられた特定の化学成分に存在する。なかでも中心的な役割を果たすのが、シトロネラールとゲラニオールという二つの有機化合物だ。これらは人間の鼻には爽やかな柑橘系やローズ系の香りに感じられるが、虫たちにとっては強力な刺激臭となる。
血を吸う蚊や、夕方に大群を作るユスリカなどの不快害虫は、人間が吐き出す二酸化炭素や体温を察知して寄ってくる。しかし、空間に漂うシトロネラールとゲラニオールは彼らの触角にある感覚器官を狂わせる。標的を見失わせる目くらましのような効果を発揮するため、刺されるリスクを大幅に軽減できるのだ。