アニメ第2期(水田わさび版)において、『のび太の恐竜2006』から『宇宙小戦争2026』に至るまで、初期の大長編名作はほぼすべてリメイクを果たしてきました。しかし、ドラえもん映画『海底鬼岩城』の評判が歴代トップクラスであるにもかかわらず、『ドラえもん 海底鬼岩城』のリメイクだけは2026年を迎えた現在も実現していません。
映画関係者やアニメーション批評の間で指摘されている理由は、大きく分けて3点あります。
第一に、「鬼角弾」という核兵器メタファーと終末論の重さです。現代のファミリー向けアニメーションにおいて、自動報復システムによる人類滅亡や核戦争を思わせる設定をそのまま映像化することは、コンプライアンスや国際情勢の観点から非常にセンシティブな調整を要します。
第二に、バギーちゃんの自己犠牲(特攻)の描写です。子ども向け映画においてメインキャラクターが爆死・自爆するという結末は、現代の倫理規定において極めて慎重な演出が求められます。しかし、バギーが生存するような改変を行えば、原作が持つ神聖な感動を損ないかねないという、制作陣にとって非常に高いハードルが存在します。
第三に、完成度の高さゆえのプレッシャーです。SNSやファンコミュニティの検証でも「下手にCG化したり結末をマイルドに変えるくらいなら、当時のセル画と喜多道枝さんの声のままで永遠の傑作として残してほしい」という声が根強く、製作委員会としても容易に手を付けられないアンタッチャブルな聖域となっているのが実態です。